「徳川内府の理不尽な要求に、断じて屈するわけにはいかない。
もし徳川が、わが上杉家と刃をまじえるというならば、正々堂々、
これを迎え撃ち、不識庵さま以来の勇武の心ばえをしめすまで」 |
----- 本文より |
上杉謙信より受け継いだ「義」の精神が、熱き時代の漢(おとこ)たちを突き動かす。
世に名高い慶長5年の天下を分ける大合戦は、北の知将直江兼続の
一枚の返書から火蓋が切られようとする・・・ |
1956年新潟市に生まれ、早稲田大学商学部を卒業し、編集者を経て
作家となられた火坂先生の作品は、伝奇性の強いものが多いようですが
近年は本格的な大型時代小説を発表しています。
2009年の大河ドラマの原作に、先生の筆による「天地人」が選ばれ、
それまでどちらかといえばマニアックな戦国ファンに支持されてきたものの
一般にあまりその名を知られていなかった軍師直江兼続を、いっきに
メジャー世界へ引き上げることになりそうです。
兜の前立てに「愛」の文字を掲げて敵と戦ったのは、戦国の「天地人」だけでは
なかったようです。著書のあとがきに、学生時代野球帽に「愛」の文字を掲げて
スポ根監督に怒鳴られていた、という著者自身のエピソードが載せられており
なるほど、これぞ現代の「天地人」!と、納得させられてしまいました。
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日本経済新聞
2007年10月17日
掲載記事 |
さて、火坂先生が妙高酒造のお酒と出会ったのは数年前のことになります。
県内の銀行が主催する経営者会で、上杉謙信の経営手腕について講演され、
懇親会で出されたのが当社のお酒でした。その時にとても美味しいと感じて
くださったようです。
先生は現在神奈川県にお住まいされているのですが、偶然にもご自宅近くの酒屋さんで
その時飲んだ「妙高山」が販売されてることを知り、以来ずっと「妙高山 純米ふるさと」を
飲み続けてくだっているとのことです。
洗練されすぎて疲れるお酒が多い中、「妙高山」はどこかホっとする味わいが
あるそうで、疲れず飲み飽きしない良いお酒だとお褒めをいただきましたが
「天地人」を読んでみて「なるほど」と思うのは、先生の作品がまさに
疲れず読み飽きしない、どこか優しい世界だったのです。
2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」(井上靖原作)は、山本勘助を主人公に
その最後となる永禄四年の川中島決戦までを映します。
1969年の「天と地と」(海音寺潮五郎原作)もまた、上杉謙信を主人公に
永禄四年の宿命のライバルとの対決までを映しました。
川中島の決戦については物語として一般によく知られているのですが
永禄四年の決戦以降のこと、殊に上杉家についてはあまり詳しく
語られることがありません。
火坂先生の「天地人」は、まさにその後の武田・北条家を巻き込む越後の内乱から始まり
移り行く天下の中で上杉家が米沢へ減封となるまでの、謙信や信玄時代とはまた
違った意味で熱い時代を背景に、義に燃えた漢(おとこ)たちを生き生きと描きます。
2009年のNHK大河ドラマでは、直江兼続という美しい北の知将を通して
謙信が残した「義」の行方やら揺れる天下やら、江戸時代直前の日本の動乱が
どのように表現されて行くのか、とても楽しみです。
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